エピクテトス「語録 要録」から学ぶ

エピクテトス「語録 要録」から学ぶ

こんにちは、ブログを担当させていただきますコーディネーターの菅原と申します。
私は経営改善、事業計画の策定などを担当しております。「金融機関から事業計画を作ってほしいと言われたけど、どのようにすればよいかわからない」などの悩みがありましたら是非ともご相談ください!

今回はエピクテトス「語録 要録」についてお話ししたいと思います。

エピクテトスは今から1900年ぐらい前(西暦55ごろ~135ごろ)、ローマ時代に生きたストア派の哲学者です。エピクテトスは奴隷の身分で生まれていますが、ストア哲学を学び、奴隷の身分から解放され、哲学の教師となり学校を開いています。
その学校にはローマ皇帝のハドリアヌス(西暦76~138)が訪問しているそうです。すごい人ですよね。

また、エピクテトスの教えはローマ皇帝のマルクス・アウレリウス・アントニウス(西暦121~180)に影響を与えたとされています。この皇帝は著作「自省録」(これも素晴らしい著作です)を残しています。

そして今回ご紹介する「語録 要録」はエピクテトスの下で学んだアリアノス(西暦95ごろ~180ごろ)がエピクテトスの言行を書き記したものとなっています。「語録」の部分はエピクテトスとの対話形式で記されており、「要録」の部分はエピクテトスの思想を簡潔に記しています。

エピクテトスの考えの中心にある文章を「エピクテトス.『語録 要録』.鹿野治助(訳).中央公論新社」から紹介します。

「1の1 もろもろの存在のうち、あるものは私たちの権内にあるけれども、あるものは私たちの権内にない。意見や意欲や欲求や忌避、一言でいって、およそ私たちの活動であるものは、私たちの権内にあるけれども、肉体や財産や評判や公職、一言でいって、およそ私たちの活動でないものは、私たちの権内にはない。」

「1の2 そして私たちの権内にあるものは、本性上自由であり、妨げられず、じゃまされないものであるが、私たちの権内にないものは、もろい、隷属的な、妨げられる、他に属するものだ。」

私なりに解釈しますと
自分自身を含め自分の周りにあるもののうち、意見や意欲や欲求や忌避など、自分自身の精神活動に由来するものは自分の影響力の範囲内(権内)にあるが、物質的である自分の身体はもちろん、財産や評判や公職などは自分の影響力の範囲外にある(思い通りにならないものである)。
権内にあるもの、すなわち自分自身の精神活動から生起するものは、自由であり活動を妨げたりじゃまされたりしないものである。一方、権内にないもの、すなわち身体、財産、評判などはもろく、他の支配を受け、じゃまされ、他の影響下にあるものである。

という感じになりました。

財産、評判、公職はさることながら自分の体でさえも思いのままにできず、自分自身の精神活動のみがコントロールできるものであると言っていますね。
当たり前のことを言っているような気がしますが、自分自身に置き換えてみると「思い通りにならなくて腹を立てる
「やればいいと思っているが踏み出せない
ことが多く、エピクテトスの言う当たり前のことをすることが難しいと感じます。

この考え方を踏まえ、周りの環境は「思い通りにならないものである」と割り切り、「意見を持つこと」「意欲をだしてみること」「行動してみること」はできるものであるから、とりあえずやってみようと思ってみると、なんか気持ちが楽になります。

約2,000年前から人の悩みは変わらず、思い通りにならないことに苦しんでいたのですね。

歴史に名をのこしているエピクテトスでさえも自分に言い聞かせるように発言しています。
「だから、きみのできることを練習するがいい」
「一般に、もしきみがなにかをしようとするならば、常習的にするがいい」

長い歴史で残ってきた著作はいいものですね!


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