「夜と霧」を読んで色々考えたこと

「夜と霧」を読んで色々考えたこと

今回のブログを担当させていただきますコーディネーターの菅原と申します。
「金融機関から事業計画を作ってほしいと言われたけど、どのようにすればよいかわからない」などの悩みがありましたら是非ともご相談ください!

「夜と霧」という本を知っていますか?著者のヴィクトール・E・フランクル(1905-1997)はオーストリアの精神科医・脳外科医・心理学者です。1942年から1945年にわたりアウシュビッツをはじめ、複数の強制収容所に収容された経験をもとに、この本「夜と霧」(原題:心理学者、強制収容所を体験する)を著しました。

今回はこの本の中の「第二段階収容所生活 暫定的存在を分析する」からの文章を読んで色々考えたことを紹介したいと思います。

印象に残った文章をあげます。
「脆弱な人間とは、内的なよりどころをもたない人間だ」

「『強制収容所ではたいていの人が、今に見ていろ、私の真価が発揮できるときがくる、と信じていた』けれども現実には、人間の真価は収容所生活でこそ発揮されたのだ。おびただしい被収容者のように無気力にその日をやり過ごしたか、あるいは、ごく少数の人々のように内面的な勝利をかちえたか、ということに。」(ヴィクトール・E・フランクル.『夜と霧』.池田香代子(訳).株式会社みすず書房)

「内的なよりどころ」を持つ人間はどんな状況においても耐えることができ、また人間の真価は収容所生活で「こそ」発揮されたと言っています。強制収容所生活に耐えられた人は見た目強そうとか弱そうとか関係なかったようです。収容所で精神的に耐えられなかった人は、何をされてもピクリとも動かなくなり自らの糞尿にまみれたままになったそうです。この本の中では「自分を放棄した」と表現しています。

「内的なよりどころ」ってなんでしょうね。読み進めていくと「目的をもって生きること」「未来の目的」「意味は、人により、また瞬間ごとに変化する」「つねに具体的ななにか」という言葉がでてきています。もう少しこの目的・意味について理解を深めるためヒントを探して考えていたところ、著者フランクルが師事したアドラーの言葉がありました。アドラーの著書「人生の意味の心理学」から一部を紹介します。

「貢献が人生の真の意味である、と推定できるヒントが他にもある。今日われわれのまわりにわれわれが祖先から受け取った遺産を見れば、われわれは何を見るだろうか。それらの中で残っているものはすべて、人間の生活に貢献したものだけである。耕された大地、道、建物をわれわれは見る。祖先の人生経験の果実は、伝統、哲学、科学、芸術、そしてわれわれに人間の状況に取り組むための技術の中に、われわれに伝えられている。これらのものはすべて人間の幸福に貢献した人からわれわれに受け継がれたものである。」(アルフレッド・アドラー.『人生の意味の心理学』.岸見一郎(訳).アルテ)

「貢献が人生の真の意味である」にはすごく納得しました。そうですよね、私たちの見ている有形無形のすべてもの、どんな小さいものでも先人たちの「貢献」からできあがっているのです。
これらから脆弱な人間とならないための「内的なよりどころ」とは、「何かに貢献することに目的をもっていること」だと私は考えています。

素晴らしい著作にはいろいろ考えさせられることが多く、何度読んでも新しい発見があるものですね。


《ご相談受付窓口》
福島県よろず支援拠点 郡山事務所 TEL.024-954-4161
福島県よろず支援拠点 福島サテライト TEL.024-525-4064
福島県よろず支援拠点 いわきサテライト TEL.024-525-4064
福島県よろず支援拠点 会津サテライト TEL.024-525-4064
福島県よろず支援拠点ホームページ 福島県よろず支援拠点
公式ブログ「よろず知恵袋」
公式YouTubeチャンネル