電気代が高い!その理由は…?

電気代が高い!その理由は…?

皆様はじめまして!

今回のブログを担当いたします福島県よろず支援拠点コーディネーターの國分です。

よろずブログ初登場ですので、まずは簡単に自己紹介させていただきます。

  • 新卒で東北地方の某電力会社に入社し、8年間勤務。(初任地は南相馬市、その後福島市でも勤務しておりました。)
  • その間に社会人大学院生としてビジネススクールに通い、卒業。(MBA取得)
  • 学んだ知識を活かすべく、宮城県の中小企業支援機関である(公財)みやぎ産業振興機構へ転職し、6年間中小企業支援に従事。
  • 保有資格は中小企業診断士、日商簿記2級、第二種電気工事士(全然使ってない(-_-;))などです。
  • 本年4月より福島県よろず支援拠点でお世話になっておりますm(_ _)m

さて、連日暑い日が続きますね。

こう暑いとご家庭やお店の冷房稼働率も高まりますが、同時に気になるのが電気代ではないでしょうか。

というわけで、本日は電気料金の算出式について触れてみたいと思います。

(主に東北電力㈱と契約している一般家庭や小規模店を想定してのお話です)

1.電気料金は主に4つの要素で構成されている!

初めに電気料金を構成する要素についてご説明いたします。

主に①基本料金、②電力量料金、③燃料費調整額、④再エネ賦課金の4つの要素からなります。

1.基本料金…契約メニュー毎に設定されており、アンペア数や容量数に応じて決まる料金です。契約内容を変えなければ基本的には一定額です。

2.電力量料金…電気を使った量に応じて決まる料金です。

当然ながら使えば使うほど高くなっていきます。

契約メニューにより異なりますが、単価も一律でなく、〇〇kWhまでは1kWhあたり□□円、それを超えて▲▲kWhまでは1kWhあたり★★円、等段階的に高い単価が適用されるもの、季節や使用時間帯によって単価が違うものもあります。

3.燃料費調整額…原油・LNG(液化天然ガス)・石炭の燃料価格の変動により、毎月見直される単価です。燃料費調整額単価×使用電力量で計算できます。なお、契約内容により単価が違いますし、安く燃料を仕入れることができている場合にはなんとマイナスの単価になることもあります。

詳しくはコチラ https://www.tohoku-epco.co.jp/dprivate/adjust/

4.再エネ賦課金…正式名称を「再生可能エネルギー発電促進賦課金」といい、太陽光発電や風力発電、地熱発電等の再生可能エネルギーを普及させるため(再エネ事業者から国が固定価格で電気を買取るため)の費用として充てられます。

燃料費調整額と同じく、単価×使用料電力で計算できます。

まとめると下図のようになります。

2.上がっているのは燃料費調整額と再エネ賦課金!

毎月のように電気代値上がり!というニュースを目にしますが、実は上記の4つの要素のうち、上がっているのは③の燃料費調整額と④の再エネ賦課金です。正確に言えば、④の再エネ賦課金は毎年5月に単価の見直しがされるので毎月上がるわけではないのですが、それでも毎年上昇傾向です。ここ数年の動きをグラフ化してみましょう。

まずは燃料費調整額から。

赤色は燃料費調整額がプラスとなっている期間、青色はマイナスとなっている期間です。

これをみると、2019年の7月以降2021年の11月まで、実は2年間以上マイナスで推移していたことが分かります。

ところが、202112月以降はプラスに転じており20227月現在1kWhあたり3.47円と上昇傾向です。皆様ご承知の通り国際的な政情不安等で燃料価格の高騰が続いており、その影響が如実に表れていますね。

続いて再エネ賦課金の推移です。

さきほど触れましたように、再エネ賦課金は毎年5月に単価の見直しがされますので、月間の変動幅はありません。そして制度上、燃料費調整額と違ってマイナスになることは考えられません。一般家庭や小規模商店など(従量制供給)の場合、コンスタントに1kWhあたり3円以上かかってきますので、家計や事業経費の中でどの程度の負担感になっているか、ざっくりとでも把握しておくと良いと思います。

3.昨年と今年とでどのくらい料金が違う?

契約メニューや使用量によって電気料金は違ってきますが、ここでは東北電力管内において従量電灯B(30A)の契約・月間使用電力量が350kWhというケースを考えてみましょう。昨年2021年7月と2022年7月で同じ契約・同じ使用量の場合で試算し、どのくらい電気料金が上がっているか、電気料金の構成要素別に比較してみました。

〇電気料金の比較表(従量電灯B 30A 月間使用量350kWhの場合)

なんということでしょう!

同じ契約メニュー、同じ使用量なのに、このケースでは昨年より約1,800円も電気代が増えてしまいました。そのほとんどが燃料費調整額の増分ですね。

また、昨年比での増分はさほどでもありませんが、電気料金全体に占める再エネ賦課金の割合もなかなか大きいのではないかと思います。

昨今の電気代高騰の原因としては国際的な燃料価格の高騰や国で決めている再エネ賦課金単価の上昇であるので、電力会社さんが意図的に価格を釣り上げているわけではないということはご理解いただけると思います。

4.電気料金を抑えるには?

電気料金は上記①~④の要素で構成されておりますので、そのどこかを低減させていくほかありません。

①の基本料金については契約のアンペア数(容量)で決まってきますので、現在の電気の使用状況を勘案しながら見直しを検討していきましょう。例えば昔は大家族で電気をたくさん使っていたものの、子供の独立等で近年は世帯の人数が減っている、等の場合には契約アンペア数を引き下げる余地があるかもしれません。ただし、必要以上に契約アンペア数(容量)を引き下げてしまうと、頻繁にブレーカーが落ちて(最近はスマートメーターで使い過ぎを感知して?)停電してしまいますので要注意です。

②~④については使用量×単価という形なので使用量を抑えることが基本となります。こまめに照明や家電のスイッチを切る、(費用対効果見合いですが)省エネ家電への買い替え等の方策が考えられます。猛暑日だけど節電のためエアコンの稼働を我慢する…といった行き過ぎた節電は命に関わる場合もありますのでちょっと考えものですね。

以上 今回は電気料金について触れてみました。

よろず支援拠点では様々な経営相談に対応しております。お困りごとでもお気軽にご相談いただければ幸いです。
引き続きよろしくお願いいたします。


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