不測の事態に備えましょう!
2024年が明け、今年はどんな年になるかなぁと考えていたら、元旦から大地震に見舞われてしまいました。その時、会津にある新潟県境の実家で大きく長い揺れに襲われたコーディネーターの山崎です。会津地区の震度は4でしたが、おそらく震度5弱程度はあったと思っています。神棚の扉が開いて多くのお札が落ちました。また、揺れが長く続いたので、相当恐怖を感じました。
この地震により、石川県の能登地方を中心に大きな被害が発生しました。被災された住民の方々には心からお見舞い申し上げます。また亡くなられた方も多く、お悔やみ申し上げます。現在はまだ行方不明者がいるため懸命な救助活動が行われており、被害の全容もまだわかっていない状況です。また、自宅が倒壊するなどして帰宅できない方々が体育館などの避難所に身を寄せており、仮設住宅の整備が急がれる状況にあります。
この災害では、個人宅だけでなく、多くの会社や事業所も被災しました。今のところはまだ、建物倒壊など被災したがれきの撤去が進まず、道路の破損も大きく、電気・水道などのライフラインも復旧していないところが多いため、事業再開どころではないという事業所も多いと思います。まずは道路などのインフラが復旧しないと事業再開や事業再構築も進められないという状況だと思います。今後、グループ補助金などの国の施策による復興対策が講じられると思いますので、それらを活用して事業の復興を進めていってほしいと思います。
この地震での被災地域は石川県のほか富山県や福井県、新潟県など広範囲にわたりました。被災の程度も、激甚レベルのところだけでなく、それ以下の被災レベルのところもあり、様々だと思います。事業再開のめどが立たないほどの被災状況ですと役に立たないと思いますが、それ以下の被災レベルであった場合に役に立つのが、コンティンジェンシープランやビジネスコンティニュープランです。
コンティンジェンシープランは、自然災害や事故、事件など想定外の事態が発生した場合に、企業が受ける被害を最小限に抑えるため、事前に定めておく対応策や行動手順のことで、緊急時対応計画のことです。ビジネスコンティニュープランは、自然災害やパンデミック、システム障害など緊急事態が発生した場合に、その企業にとって重要な業務を維持して損害を最小限に抑え、事業の早期復旧を目指す計画のことで、危機的な状況に対応する能力を高める目的で作成するものです。そのため事前に事業インパクト分析を行い、緊急事態発生時の継続業務と停止業務を決定しておきます。
この地震で被災された企業や事業所の中には、これらの計画を準備しており、効果を発揮したケースも多いかと思います。ただこれらの計画は、作成すれば良いというものではなく、その計画の内容を従業員全員に周知し理解しておく必要があります。少なくとも、緊急事態が発生した時にすぐに見ることができるようにしておくことが重要です。
ビジネスコンティニュープランは、国でも策定を推奨しており、中小企業庁では「中小企業BCP策定運用指針」を公表し、策定を後押ししています。詳しくは、中小企業BCP策定運用指針 (meti.go.jp)をご覧下さい。ビジネスコンティニュープランの策定に関しては、当拠点でも相談を承りますので、お気軽にご連絡下さい。
県内の自然災害といえば、東日本大震災だけで無く、令和3年2月・令和4年3月の地震災害、また最近では昨年のいわき市での水害があり、まさに頻発している感があります。地震はプレート移動により必ず発生するものであり、活断層のある地域では特に注意が必要です。また温暖化による気候変動により線状降水帯が発生し豪雨水害が頻発する事態になっています。ですから、これからもできるだけそれに備えておく必要があるのです。
これまでも自然災害以外で、コロナによる営業自粛や時短営業、中国のゼロコロナ政策による工業製品・部品の供給遅延、処理水放出に反応した中国等の県産品の輸入停止、ウクライナ戦争による小麦サプライチェーンの影響、原油の高騰、円安による輸入原材料の高騰など、事業経営に影響を及ぼす事態が数多く発生してきました。今後についても何が起こるか分からない状況にあります。そのことを十分認識して、それに備えることが経営者に求められてきているのです。
当拠点では、そういった経営者の相談ニーズにも十分お応えしていきますので、お気軽にご連絡下さい、お待ちしております。
では本年も、福島県よろず支援拠点をどうぞよろしくお願いいたします。
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