福島県のインバウンドを考える

福島県のインバウンドを考える

福島県よろず支援拠点チーフコーディネーターの木村です。
2023年は新型コロナウイルス感染症が5類に移行し、経済も少しずつ回り始めているような気がします。
そんな中、2024年1月16日から3月29日まで毎週火曜と金曜に福島⇔台湾便が各日一往復運航されることになりました。東京や、私の地元神奈川でも多くの訪日外国人客を見かけます。ここ福島県でもちらほらと外国人観光客を見かけるのですが、まだまだです。
昨年話題を呼んだのが盛岡市です。2023年1月12日にアメリカのThe New York Times(ニューヨーク・タイムズ)が「52 Places to Go in 2023 (2023年に行くべき52か所)」を発表し、イギリスの首都ロンドンに続く2番目に盛岡市が紹介され注目が集まりました。
そして今年2024年のThe New York Times(ニューヨーク・タイムズ) 「52 Places to Go in 2024 (2024年に行くべき52か所)」にはなんと北米、パリに次いで、山口市が3番目に紹介されました。
 ではもともと岩手県や山口県は訪日外国人に人気があったのでしょうか。意外とそうでもないということが以下表からもわかります。

自治体のトップセールスや、ロビー活動などがあったのかもしれません。観光資源という意味では決して福島県が他県に劣るわけではありません。しかしながら観光庁のデータを見ると、コロナ前の2019年県別訪日外客数、福島県は43位・訪問率0.3%(1位は東京47.2%)と低い数字となっています。
 さて、話を戻します。この台湾便就航がチャンスであることは間違いありません。おそらく県や各自治体、そして観光業もあの手この手を考えていろいろと動いていることと思います。
 コロナ以前のインバウンドの目玉は何といっても、ゴールデンルート(東京・箱根や富士山周辺・名古屋・京都・大阪という日本の人気5都市を周遊するルート)と中国人による爆買いでした。今、リピーター訪日外国人は定番コースを一巡し、新たなる日本を求めているのだと言います。NHKクローズアップ現代の取材によると、「外国人 何を求めて日本へ?
に対し、5つのキーワードが見えてくるそうです。
・オリエンタル(神社仏閣・古民家)
・デリシャス(ラーメン・居酒屋・屋台)
・ネイチャー(自然・里山)
・リアル(日常の暮らし・地元の人)
・クール(歌舞伎町・秋葉原・アニメ)
また、同じくNHKクローズアップ現代によると、【訪日外国人数伸び率 トップ10(市町村別)】(2019年と2023年の1月~8月を比較)の中に、3位双葉町(福島県)48.5倍、4位浪江町(福島県)48.2倍、6位鮫川村(福島県)33.3倍、となんと3町村がランクインされています。伸び率データなので絶対数が必ずしも多い訳ではないでしょうが、ここに大きなヒントが隠れているように思います。地域の魅力とは、何も有名スポットや観光業だけにとどまらないということです。
地域の魅力=農業×工業×商業×サービス業×日常の暮らし・・・などの掛け算なのです。
Diamond Route Japan(ダイヤモンドルートジャパン)という大変面白い動画サイトを見つけました。かつてのゴールデンルートに対し、東京から福島、茨城、栃木の3県へと向かう観光ルートのことらしいです。迫力もあり、映像もすごく美しく、この動画は公開後1週間で累計1,000万回以上再生されたということです。来てもらいたい地域の目線ではなく、あくまで観光客目線で福島のインバウンドを考えてみましょう。今や訪日外国人観光客は、1カ所のスポット「点」ではなく、ルート「線」や地域「面」の中で自分のお気に入りを探しているようです。わたしは、郡山を福島県のハブとして魅力を発信し、「福島空港」→「郡山」、「郡山」を起点に、福島、会津若松、猪苗代湖、磐梯山、北塩原、安達太良山、白河、いわき、相馬などたくさんのダイヤモンドルートができると思っています。みんなの知恵とアイデアを集めれば福島県はコンテンツの宝庫です。よろず支援拠点では売上拡大のひとつの切り口としてインバウンド需要に注目しています。

Diamond Route Japan(ダイヤモンドルートジャパン)
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https://diamondroutejapan.com/