よろずの特徴って?

よろずの特徴って?

福島県よろず支援拠点コーディネーターの石田です。
みなさま「よろず支援拠点」をどうぞよろしくお願いいたします。
当拠点では、「よろず」とある通り、創業から、成長の悩み、成熟後の悩み、引際の悩み等々、事業経営に関するあらゆるご相談を承る国の事業拠点です。なお、それぞれのお悩みに対してより適切で専門的な知見を持つ他の公的支援機関との連携や橋渡しにも力を入れております。どうぞお気軽にご利用ください。

さて、今回のブログテーマは、「よろずの特徴って?」です。なお以下、石田ひとりの独断と偏見に基づく旨をどうぞご承知おきください。

まずは前置きです。

よろず支援拠点は、2014年6月に事業開始して10年弱の国(経済産業省、中小企業庁)の事業となります。ここ最近では従来の経営相談に加え価格転嫁相談窓口やALPS処理水風評被害相談窓口などが設置されています。

そんな「よろず」
が設立された当初の理由ですが、様々な多くの中小事業者さん向けの公的支援施策が並び立つなかで、入り口において事業者が混乱しないよう、そこに相談さえすれば相談内容に基づいて最適な支援施策に導いてもらえるような”ワンストップ相談窓口”が必要とされていたためと理解しております。

ただ、その”ワンストップ”という、コンセプト(やりたいこと)はとても明確な一方、実際にそれを実行しようとすると、すべての施策に精通したスーパーマンが大勢必要になるという難しさから、これまで47都道府県で各地各様の発展経緯があったようです。

さて、そんな「よろず」
ですが、今回はその主な特徴を3点、お話させていただきたいと思います(*再掲:内容は石田の独断と偏見に基づく旨をご承知おきください)。

まず1つ目の特徴ですが、「よろず」と銘打っておりますので、どんな経営相談でも受け付ける、いわば”間口が広い”というイメージは既にお持ちいただけているかもしれません。そのイメージは正しく、極端に言えば「経営相談としてこういったことをよろずに相談してよいのか」というような相談の相談さえもウエルカムであるということです。

さらには、そうした入口時点の”間口が広い”ということに加えて、入口時点の”敷居が低い”というものも「よろず」の特徴として上げられるのかと思います。
というのも、よろずでは入り口段階で事業者さんに何も求めていません。厳密にいえばA4表裏の留意事項説明書兼同意書にサインをいただくことにはなっていますが、その他、事業概況説明書や確定申告書、財務情報などなどの準備、提出はいっさい必要となっておりません。

こうした立て付けというのは国はじめ公的な事業や機関としてはかなり珍しいことだと思います。
たしかに、みなさんの税金を使って運営されている事業ですので、できるだけ効率的に運営するために、事業者さんの実態を早々に、確実に、把握して支援を実施するということのほうが理にかなっていると言えるのかもしれません。ですのでよろずの支援は効率的ではないとの指摘もできるのかもしれません。
ただ一方で事業者さんの側に立てば、そうした確定申告書や財務情報を初回から提出する必要があるような状況、自社の自慢できない部分を、よく知らない人間に、赤裸々に初回からさらけ出すということにはかなり高い心理的障壁があるであろうことは想像に難くないかと思います。

そうした点で、よろずの”敷居が低い”という点には大きなメリットもあろうかと思います。
例えば、個人事業主さんで、事業自体は長年お客さんを抱えてやってきているが、数字や理屈は苦手で、そこらへんには気を配ってこなかった。最近、事業環境が変わってきた中で、なんだか苦しくなっている。事業者さん自体は、問題や課題については漠然としている、けれど何とかしたいとは思っている。

こうした事業者さんでも「よろず」は入ってきやすい立て付けになっているのではないかと思います。
言い方は悪いですが、ゆるく気楽によろずに入ってきていただき、一定の時間をかけてコーディネーターとコミュニケーションを重ねる中で信頼関係を築き、腹を割った話のなかで、腑に落ちた経営改善を進めていく、そんなことができる立て付けになっているのであろうと思います。
このことは、最近、国のあらゆる施策で言われるようになっている「伴走支援」や「事業者の腑に落ちる支援」「自走に向けた支援」というものを実現する際に、大きな要因になるのではないかとも考えています。

以上がよろずの1つ目の特徴、”間口が広く、敷居が低い”というものになります。

次に2つ目のよろずの特徴として、”無料で何度”でもというものがあげられるのかと思います。
無料で何度でもということですので、基本的には年度に関係なく、節目無く事業者さんに寄り添うことが可能となっています。
この点でも、国はじめ公的な他の事業や機関の対応と比較して、ユニークな立て付けになっているのかと思います。
というのも多くの国はじめ公的な事業や機関では回数や期間を制限して支援をおこなっているかと思います。
ですので例えば、そうした回数や期間の制限のある支援施策や専門家の利用において、そこにあわせて「よろず」をご活用いただくことで、経営改善の連続性や継続性を維持することも可能だろうと思います。
発展的に「よろず」利用をお考えいただければと思います。

ただここで、よろずをご利用いただく中で一点、ご注意をいただきたいことがあります。
それは、よろず自体は実務は行わない、行えないということです。これが3つ目のよろずの特徴となります。
国の施策などで民業圧迫を避けるためなどと言われますが、経営計画書や事業計画書を事業者さんや専門家さんに代わって作成する、補助金申請を事業者さんに代わって実施する、店舗設計や商品デザイン、ホームページなどを事業者さんや専門家さんに代わって作成するなどのいわゆる実務は「よろず
では行えません。
その代わりに、事業者さんや専門家さんがそうしたことを実行する際に、サポートをする、アドバイスを提供するといった形での支援をおこなう、お役に立つというのが「よろず」
の立て付けとなっております。

この”実務はおこなえない”というのが3点目の特徴となります。
ただこの特徴は、事業者さん自身が主体的に経営計画書や事業計画書を作成する、事業者さんが主体となって補助金の申請利用に取り組むといったことが必然的に求められるという点では、事業者さん自身で自走するための素晴らしい立て付けとなっているのではないだろうかと思います。

以上の3点がよろずの主な特徴になります(*再掲:内容は石田の独断と偏見に基づく旨をご承知おきください)。
再度申し上げますと、
1つ目は”間口が広く敷居が低い”というもの。
2つ目は”無料で何度でも”というもの。
3つ目は”実務は行えない”というもの。
という3点となります。

3点の特徴を、ご承知いただき、今後もよろずをどんどんご活用いただければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。