「数字は必要?」

「数字は必要?」

福島県よろず支援拠点コーディネーターの湯田晋介です。

経営するにあたって逃れられないもの。それは数字。

経営者であったとしても、数字からは目を背けたくなる。どちらかと言えばそういう方が多い気がします。その気持ちもわかります。

私もどちらかと言えば「数字より中身が大事だろう」に賛成派です。

経営者と携わらせていただく中で、長年の経験(勘)と肌間隔で経営して、うまくいっている人もたくさん見てきましたし、数字を読める力があるから経営がうまくいくとは限らないともわかっています。

それでも、それでも、数字はやっぱり必要で、経験や勘のズレをそのままに放っておいたら手遅れの状況になっている…そんなケースもたくさん見てきました。

じゃあ、数字に向き合うにはどうしたら良いのか…経営者やその従業員が数字に向き合おうと思ってもらうにはどうしたら良いのか?

そんなことを思っていた時に1冊の本に出合いました。

「数値化の鬼」 著者 安藤広大

 「いったん、数字に強くなれ」という帯にドキッとさせられながら購入しました。

はじめからインパクトある言葉が…

「数字がすべてではない。ただし、数字を向き合わずに成長できる人は誰一人としていない」
「数字以外のことは数字のあとに」
…なるほど…

数字が持つ意味や理由、数字を活用することで経営が良くなることがわかれば、向き合おうとも思いますよね。ぜひ、興味ある方は読んでいただきたいと思います。私の感じたことをおおまかに説明しますと…

1. 数値化をクセづけする
日ごろからあいまいな表現をするのではなく、数値化する。これによって、数字という共通言語で共感することや納得させることができる。自分(自社)の目標もあいまいにならない。

2.行動量を意識する
やはり「行動」が必要。期限と目標の数値を明確にすることによって、何をすればよいか、どう行動すれば良いかが見えてくる。闇雲な行動ではなく、数値から導き出す指針に沿って進むことが行動を効果的に、かつ効率よく結果に結びつける。ただし、行動に失敗はつきもの。失敗を活かすためにも失敗を数値化することも有効。

3.変数を考える
「変数」とは変えられる数値。どの数字に目を向けて、優先順位をつけるかでより良い結果につながる。また、無駄や無意味な数字と向き合うことを減らせる。

全体的にこの本からのメッセージは数値化した目標設定の計画策定から、それを実行に移し、数字でその評価を行うことで達成できなかった原因・理由を探る。そこから改善策を考え、次に活かす。結局はそれが大事だと。

わかる方はわかったかもしれません。ビジネス用語でも良く聞く「PDCAサイクル
です。

「PDCAサイクル」とは?

経営者の方ならぜひ知ってもらいたいワードです。今回は簡単に。
P・D・C・Aは単語の頭文字です。
P…PLAN(プラン)     計画を立てて
D…DO(ドゥ)         計画に沿って実行して
C…CHECK(チェック)   実行の結果を評価・分析して
A…ACTION(アクション) 改善して次につなぐ
これを繰り返していくのがPDCAサイクルです。

※PDCAに関しての詳細はまたの機会に

今回はワードだけでも覚えていただければ(漫才師の決まり文句っぽく)

このPDCAに数字を活用すれば、効率よく、効果があがります。
だから、数字は必要なのだなと。数字が有効なのだなと。

私も今までの社会人経験で数字(ノルマ等)が与えられたこともありました。しかし、数字だけの目標を立てさせられるとどうしてもモチベーションが上がらない…とにかく、自分の信じた仕事をしようと、数字の結果はそれなりにして乗り切ってきた過去があります。
しかし、ここにきて、数字と向き合うことの必要性を感じています。一度は必ず数字を追うべきだと。

「今月、売上増やすぞ~おぉ!」というのと

「今月、100万円の売り上げを目指すぞ~おぉ!」というのでは

違いがありますよね。数値化すると目標に対しての「思考
が変わります。

ここでひとつ マザーテレサの「5つの気をつけなさい」から

思考に気をつけなさい、それはいつか言葉になるから。
言葉に気をつけなさい、それはいつか行動になるから。
行動に気をつけなさい、それはいつか習慣になるから。
習慣に気をつけなさい、それはいつか性格になるから。
性格に気をつけなさい、それはいつか運命になるから。

言い換えると

思考が変われば言葉が変わる。
言葉が変われば行動が変わる。
行動が変われば習慣が変わる。
習慣が変われば性格が変わる。
性格が変われば運命が変わる。

数字と向き合うことで「運命」が変わるってことですね。

確かに、数字を追いすぎると本質からズレやすい。それもあると思います。それでもそれを踏まえて目標数値を達成させるという経験があるとないのでは、本質を知った時の重みも違うのだと思うのです。

本にも書いてありますが
30年のベテランが「数字がすべてではない」と語るのと入社1年目の新人が「数字がすべてではない」と語るのでは意味も違うし、「数字がすべてではない=数字を無視していいではない」と。

数字に追われると、中には不正をする人や、ルールを守らない人も出てくる。グレーゾーンで数を稼ぐこともあるかもしれない。努力ではなく、コツによって数字も変わる。それでも、ともするとそういったプロセスは一度必要なのかもしれない。だからこそ、数字の先にある本質を捉えるには、常日頃から人間力を高めておく必要もあると感じています。

一度、数字を求める。人間力を高めながら、行く先に本質を捉え、基盤を強くする。

数字ばかり見るとモチベーションが保てない場合もあるでしょう。私は自分がどういう性格なのかを分析して「誰かのために」を考えるとやる気が保てることがわかっています。
よろず支援拠点もチームプレイが必要です。一緒に同じ目標を持った仲間と喜びたい。そういうスイッチを入れるようにしています。

本にも書いてありました「チームあってこその個人」と。

「キン肉マン」「キャプテン」「キャプテン翼」少年期にハマったアニメは多くが「友情」がテーマのものが多かった気がします。

「友情」というキーワードが私を奮い立たせてくれます。

皆さんはどんなキーワードで奮い立ちますか?

まずは数字と向き合ってみましょう。数字の向こう側。見てみたくありませんか?

向き合い方がわからないという方はぜひ、よろず支援拠点にご相談を。