意思決定のための「分析の技術」

意思決定のための「分析の技術」

こんにちは、ブログを担当させていただきますコーディネーターの菅原と申します。
私は経営改善、事業計画の策定などを担当しております。「金融機関から事業計画を作ってほしいと言われたけど、どのようにすればよいかわからない」などの悩みがありましたら是非ともご相談ください!

表題の「意思決定のための『分析の技術』」は私が中小企業診断士になりたての頃に読んだもので、著者はコンサルタントである後正武(うしろ まさたか)氏です。

その中で大切と思う部分をいくつか紹介します。

一つ目は、
「センスや「感覚」は、技術の裏付けがなければ実らない。 です。

本文中では
「人が見ると、一見『驚くような発想や鋭い分析』も、実は、そのかなりの部分は『技術として整理し、習得し、自覚して使いこなせるようになれる』ものなのである。『能力』として考えるととてつもなく見えることも、技術として学び、実用すると、身につく場合が多い。問題のとらえ方や物事の核心をつく能力が飛躍するのである。」(後正武、意思決定のための「分析の技術」、ダイヤモンド社)
とあります。

体系化された分析の技術の基本を愚直に繰り返し学びながら使うことなしには、「センス」も「感覚」も活かされることは「ない」と言っています。

誤解を恐れずに例えるならば「いろいろな種類のフィルターを磨く」感じでしょうか。望遠鏡で星を見るのと電波望遠鏡で星を見るのとでは見え方が違うように、色々な方向から見るフィルターを持つことにより同じ現象でも見え方が異なってくると思っています。

二つ目は
分析の4つの基本「大きさを考える」「分けて考える」「比較して考える」「時系列を考える」
です。

この4つの分析の基本は並列的に書かれているものの、厳密にいえば考える順序があります。まず①「大きさを考える」ことが考えの根底にあり、②その上で分析対象を「分けて考え」、③「分けたもの」を「比較」したり「時系列」で考えたりすることが順序です。

このようなことは、あたりまえと思われるかもしれませんが、実際に事業者との相談において「分けて考える」ことをしていなかったり、いろいろ分析をしているものの「大きさを考える」ことをしていなかったりすることが意外に多いです。

「大きさを考えていない」例を言うと、収益改善においてインパクト(効果)の大きいところから検討していないケースです。結果的に採用した改善策がインパクトの大きさの順になっていなかったとしても「大きさを考えて」順番に検討していくことが必要と考えています。

「分けて考えていない」例として多いのは①原価分析(売上を原価と粗利益に分ける)②部門別の収益分析(売上を部門別に分ける)をしていない事例です。原価分析と部門別収益分析を行うだけで収益改善の具体的な方策が見つかるケースが多いと実感することがあります。

とここまで書いてきましたが、私もこういった「技術」を磨いていくことに腐心しております。

腐心はしておりますが、古代ギリシアのストア派の哲学者のエピクテトスは次のように繰り返し言っていることが励みになっています。
「だから、きみのできることを練習するがいい」
「一般に、もしきみがなにかをしようとするならば、常習的にするがいい」

さて、本ブログの画像は電波望遠鏡を結合したEHT(イベント・ホライズン・テレスコープ)で撮影した地球から5500万光年の距離にあるM87中心ブラックホールです。これが見られるのも電波望遠鏡で見る技術を磨いた結果といえますね。


Credit: EHT Collaboration


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