「とってもやさしいマーケティング講座 “ブランドとマーケティングの関係”

「とってもやさしいマーケティング講座 “ブランドとマーケティングの関係”

福島県よろず支援拠点チーフコーディネーターの木村です。今回は小さな会社のマーケティングをテーマにお話をさせて頂きます。よろず支援拠点ではみなさんの会社に合わせたマーケティング支援を行っています。苦手意識をもたずに一緒にマーケティングに取り組んでいきましょう。

ブランドって何?

まず最初に“ブランド”について考えてみましょう。みなさんがイメージするブランドとはどういったものでしょう。高級品?一流品?知名度の高さ?ベンツやBMW、ロレックスやコカ・コーラなどがこのような基準に当てはまるブランドだと思います。大辞林ではブランドを「自己の商品を他の商品と区別するために,自己の商品に使用する名称や標章。銘柄。商標。特に優れた品質をもつとして知られている商品の名称や標章。」と定義しています。

さて、ここで誤解が生じます。町の小さな和菓子屋さんがある和菓子を開発しました。これは自信作なのでネーミング(名称)とデザイン(標章)を依頼してブランディングしようと考えました。果たしてブランディングは成功するのでしょうか。町の小さな和菓子屋さんの商品ではブランドづくりはできないのでしょうか—答えは「できる。」です。但し、ネーミングとデザインにどれだけ凝ってもブランドは「できない。」です。一番の誤解は生産者がブランドをつくろうとすること。「ブランドは生産者がつくるものではなく、お客様がつくるもの。」という点です。

クラスに好きな女の子がいます。男の子はこの子に好きになってもらいたくて自分のいいところを見せようと一生懸命アピールします。でも女の子はなかなか振り向いてはくれません。一方通行の片思い、これが多くの方がブランディングで失敗する例です。

ブランドとは「好き」という感情です。だからブランドをつくるのはお客様です。誰に好きになってもらいたいのか、和菓子屋さんにとってのクラスの女の子とは、自慢の和菓子を食べてもらいたい人です。これを「ターゲット」と呼びます。ターゲットであるお客様がこの和菓子を好きになるかどうかが商品の「魅力」です。

ブランドとマーケティングの関係

さて、それではブランドとマーケティングはどんな関係にあるのでしょうか?マーケティングとは「商品の魅力」を「買ってもらいたい人」に「伝える」ことです。好きになってもらうためには商品の魅力を相手に伝えなければなりません。これを「コミュニケーション」といいます。
商品の魅力を伝え、好きになって買ってもらうための手法が「マーケティング」です。そしてマーケティングにおいて最も大切なのは「商品の魅力」です。「商品の魅力」を「お客様(ターゲット)」に「伝える(コミュニケーション)」、この3点確保がマーケティングの基本です。

広告もPOPもSNSもあくまで伝える手段(媒体、ツール)でしかありません。みなさんがまず最初に考えるべきことは「誰に」「何を」伝えるかということです。意外にも自社の魅力、商品の魅力をうまく表現できていない、また誰に買って頂きたいのかをイメージ出来ていない方が多くいらっしゃいます。
小さなお店や会社にとって、マーケティングを導入することは大変な武器になります。大切なのは大企業のマーケティングを真似することではなく、自身の事業内容や規模に応じてマーケティングをシンプルにダウンサイジングすることです。
よろず支援拠点がみなさんの会社のマーケティングを応援していきます。福島県から全国へ、全世界へ発信できるブランドを一緒に作っていきましょう!