「ビジョナリーカンパニー」を読み、思いめぐらせたこと
今回のブログを担当させていただくコーディネーターの菅原です。
創業・設備投資・補助金申請・金融機関借入などで「事業計画が必要となった」ときには、お気軽にご相談ください!
今回は「ビジョナリーカンパニー(ジム・コリンズ、ジェリー・ボラス共著、山岡洋一訳 日経BP出版センター)」を読んで思いをめぐらせたことについてお話ししたいと思います。
著者の一人のジム・コリンズは1958年アメリカ合衆国生まれで、ウィキペディアによると
「コリンズはスタンフォード大学で数理科学の学士号を取得したのち、同大学にて経営学修士号を取得。その後は18カ月にわたってマッキンゼー・アンド・カンパニー社でビジネスコンサルタント業務に従事し、次いでヒューレット・パッカード社のプロダクトマネージャーとして働いた。」とあります。現在65歳、若いですね。
この本は今から30年ほど前の1994年に発表されたもので、20世紀に時代を超えて成功した企業(ビジョナリーカンパニー)とそうではなかった対象企業に焦点を当て、彼らが成功を持続させるためにどのような特徴を持っていたのかについて調査し、分析したものです。
この本は10章に分かれていますが、その中の2つの章「時を告げるのではなく、時計をつくる」「利益を超えて」を取り上げたいと思います。
「時を告げるのではなく、時計をつくる」の章では
「素晴らしいアイデアを持っていたり、すばらしいビジョンを持ったカリスマ的指導者であるのは『時を告げること』であり、ひとりの指導者の時代をはるかに超えて、いくつもの商品のライフサイクルを通じて繁栄し続ける会社を築くのは『時計をつくること』である。」
とあります。
正確な時を告げる能力はその人が死んでしまえば失われてしまいますが、正確な時を告げる時計をつくるといった仕組みを構築することは、つくった人の手を離れても正確な時を告げ、世界に貢献し続けることにつながるのですね。
「利益を超えて」の章では
基本理念を定めることが重要であり、基本理念は基本的価値観と目的からなると言っています。
基本的価値観は「組織にとって不可欠で不変の主義。いくつかの一般的な指導原理からなり、文化や経営手法を混同してはならず、利益の追求や目先の事情のためにまげてはならない」としており、目的は「単なるカネ儲けを超えた会社の存在理由。地平線の上に永遠に輝き続ける道しるべとなる星であり、個々の目標や事業戦略と混同してはならない。」と書かれています。
基本的価値観は信念であり、簡潔で明快で率直で力強いものとし、また目的については「カネ儲け」は事業が存在している結果に過ぎず、もっと深く考え事業の真の存在理由を探さなければならないとしています。
信念と目的をしっかり持つことにより、時代の変化・環境の変化にくさびを打ち、立ち向かっていけるものと思います。実際本書の中でビジョナリーカンパニーが様々な困難に際して信念と目的を崩さずに乗り切る姿が描かれています。
この本を読んでいくと、私は個人的に関わっている事業者の中で、「時を告げるのではなく、時計をつくる」ことを心に留め、単なる利益追求ではなく、より深い意義と価値を日々の経営に組み込む人々に出会っていることに気付きました。私も一事業者として、彼らの姿勢から学び、自身の事業を単なる利益追求の枠を超えたものとしていきたいと思いました。
最後に少し長いですがアルフレッド・アドラーの「人生の意味の心理学」(岸見一郎訳、アルテ)より文章を引用します。
「貢献が人生の真の意味である、と推定できるヒントが他にもある。今日われわれのまわりにわれわれが祖先から受け取った遺産を見れば、われわれは何を見るだろうか。それらの中で残っているものはすべて、人間の生活に貢献したものだけである。」
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